第 3 章(III)古屋敷の機械The Adventure of the Engineer's Thumb

アイフォード駅でスターク大佐と落ち合ったハザリー氏は、一頭立ての馬車へ乗り込む。車内の窓は曇りガラスで閉ざされ、外の景色は見えない。深夜の田舎道を長く揺られながら、青年は七マイル先にあるという依頼先と、そこで待つ機械のことを考えている。

解説の目次

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  1. 21暗い馬車 The Dark Carriageハザリー氏を乗せた馬車は、窓を曇りガラスで閉ざしたまま、暗い田舎道を長く走る。道は平らではなく、何度も揺れた。やがて馬車が止まり、大佐は技師を急いで降ろす。敷地の中へ踏み込む間、青年には建物の外観を確かめる暇もない。解説を読む ›
  2. 22ランプの女 The Woman with the Lamp屋敷の中は暗く、大佐が手探りでマッチを探している。突然、奥の扉が開き、ランプを掲げた若い女性が現れる。彼女は外国語で大佐に問いかけるが、男は短く答えて立ち去らせる。その一瞬に、ハザリー氏は広い古屋敷の内部を見渡す。解説を読む ›
  3. 23待合室で Waiting Alone大佐は、しばらくこの部屋で待つようハザリー氏に命じる。簡素な室内には丸卓と数冊の本、調律の外れた足踏みオルガンがある。青年は本の背を眺めながら待つが、時計の音だけが響き、仕事へ案内される気配はなかなかない。解説を読む ›
  4. 24逃げるように A Warning to Leave静まり返った部屋の扉がゆっくり開き、先ほどの女性が現れる。彼女は片言の英語で、ここに残ってはいけない、今すぐ立ち去るべきだと繰り返す。まだ機械を見ていないハザリー氏は依頼を果たすまでは帰れないと答える。女性の表情には切迫した恐れがある。解説を読む ›
  5. 25重なる警告 The Warning Repeated女性は、待っていても得るものはない、開いた扉から自由に出られると説得を続ける。ハザリー氏が笑って首を振ると、彼女は両手を組み、必死の様子で逃げてほしいと訴える。だが廊下から足音が近づき、女性は言葉を残して姿を消す。解説を読む ›
  6. 26二人の男 The Two Men Return警告に従うよりも、ハザリー氏は高い報酬と機械への興味を選ぶ。そこへスターク大佐が、顎ひげのある小柄で太った男を連れて戻る。男はファーガスンという秘書兼支配人だと紹介される。大佐は開いている扉に気づき、疑い深く理由を問う。解説を読む ›
  7. 27屋敷の奥へ Into the Old House大佐とファーガスンは、機械が屋敷の中にあると明かし、ハザリー氏を案内する。三人はランプを先頭に、迷路のような廊下や狭い階段を進む。床板は傷み、壁の漆喰も剥がれている。古い屋敷の奥深くで、目的の部屋へ近づいていく。解説を読む ›
  8. 28機械の内側 Inside the Pressスターク大佐は低い扉の鍵を開け、三人がようやく立てるほどの小さな鉄の部屋へ入る。そこ自体が巨大な水圧機の内部だという。上には天井のようなピストンがあり、床まで押し下げられる仕組みらしい。大佐は故障箇所の診断を求める。解説を読む ›
  9. 29技師の調査 Examining the Machineハザリー氏はランプを受け取り、巨大な水圧機を技師の目で調べる。圧力を逃がしている箇所を見つけ、大佐に原因と直し方を説明する。さらに詳しく確かめるため、床にひざをついて内部を照らすと、説明されていた用途とは合わない痕跡が目に入る。解説を読む ›
  10. 30不用意な一言 A Rash Remark水圧機の内部を調べていたハザリー氏は、大佐の説明に疑問を抱く。背後に立つ男へ、見つけたものについて皮肉を口にした瞬間、空気が変わる。大佐の顔は硬くなり、青年は自分の一言をすぐ後悔する。狭い部屋の扉が閉じられようとしている。解説を読む ›
  11. 31迫る天井 The Descending Ceiling鍵のかかった鉄の小部屋に一人残されたハザリー氏は、機械の音を聞く。上のピストンが動き、天井がゆっくり下がり始めたのだ。彼は扉を叩き、叫び、逃げ道を探す。床と天井の間は刻々と狭まり、ランプの光が金属面を揺れて照らす。解説を読む ›
  12. 32壁の光 A Line of Light鉄の天井が目前まで迫り、ハザリー氏は身をかがめるほかなくなる。扉を叩く音も叫び声も機械の響きにかき消され、逃げ道は見つからない。死を覚悟しかけたそのとき、彼の目は木でできた壁の一角に何かを捉え、胸にわずかな希望が戻る。解説を読む ›
  13. 33窓への道 The Way to the Window水圧機から間一髪で抜け出したハザリー氏は、石の廊下で意識を取り戻す。そばにいた女性は時間がないと急かし、青年の腕を引いて走り始める。背後では機械が止まり、屋敷の者たちが異変に気づく気配がする。二人は暗い通路の先へ急ぐ。解説を読む ›
  14. 34立ちはだかる女 The Woman's Pleaランプを持って近づくスターク大佐を見て、女性は通路に立ちはだかる。彼女はフリッツと呼び、以前の約束を思い出すよう訴える。大佐は青年が見すぎたと言い、通せと迫る。窓辺のハザリー氏は、二人の激しいやり取りを背に脱出を急ぐ。解説を読む ›
  15. 35庭への落下 A Fall into the Gardenハザリー氏は高い窓から庭へ落ち、茂みへ逃げ込もうとする。背後では追っ手が迫り、女性の声が響く。地面に降りた青年は、まだ屋敷の危険から逃れ切っていないと悟る。月明かりの庭を走り、できるだけ遠くへ離れようとする。解説を読む ›
  16. 36朝の駅 At the Station長く意識を失っていたハザリー氏が目を覚ますと、月は沈み、朝の光が差している。知らない場所かと思ったが、すぐ近くにアイフォード駅があった。駅員に屋敷の場所を尋ねても心当たりはない。弱り切った青年は、ロンドンへ戻ってから警察へ話すと決める。解説を読む ›